
子犬工場(パピーミル)の犠牲となったチワワ。彼女は小さな檻の中に10年間も閉じ込められ、ひたすら子犬の出産を強要される日々を過ごしてきました。心身ともにボロボロになり、挙げ句の果てに”用済み”としてゴミのように扱われるようになってしまったのです。
過酷な環境で10年間、パピーミルの犠牲となったチワワ
この痛々しい姿をしたチワワの名前は「ハーレー」と言います。
ハーレーはパピーミルの繁殖犬として幼い頃から出産を強要されてきました。ハーレーは小さく汚れた檻の中に押し込められていました。
そのため、ハーレーの尻尾は折れてしまっていて、足も曲がり、つま先までも変形してしまっていました。
さらに悲しいことに、ハーレーは心臓病も患っており、そのうえ片目も失っていました。
まさに心身ともにボロボロの状態だったのです。
ボロボロになったハーレーは、いつしか子供を産むことができなくなりました。ブリーダーからすると、既に”用済み”となってしまったハーレー。
無情にも、この心無いブリーダーによってゴミのように扱われてしまうようになったのです。
ハーレーに差し伸べられた救いの手
そんなハーレーにも、やっと救いの手が差し伸べられました。
ルディさんとテーラーさんという
方に救出してもらったハーレーは、そのまま2人のもとで暮らしていくことになりました。
やっと、犬としての普通の生活を手に入れたハーレーですが、この時、ハーレーは既に10歳を超えていました。
この話がメディアに取り上げられると、ハーレーは一躍有名になりました。イベントやメディアに登場しては、パピーミルや悪徳ブリーダーの現状について世に伝えていきました。
そして、いつしかハーレーは「ヒーロードッグ」と呼ばれるようになっていました。
元繁殖犬に与えられた幸せな時間は、あまりにも短かった
ヒーロードッグとして、様々な場所でパピーミルや悪徳ブリーダーについて世に伝えていたハーレーですが、15歳になったある日、急に体調が悪化してしまいました。
そして残念なことに、そのまま亡くなってしまいました。
ハーレーは最期、飼い主さんの腕の中で安らかに眠りについたようです。
10年という長い時間を繁殖犬として過ごしてきたハーレー。自由を手に入れ幸せな毎日を送れるようになった頃には、彼女は既に高齢犬となっていました。
繁殖犬として過酷な日々を送ってきたにもかかわらず、救出された頃には生涯の終わりを迎えようとしているなんて、あまりにヒドイ話です。
人間の欲望の犠牲になってしまっている犬たちが1頭でも多く救われることを願います。