幻のサメが次々に出没 専門家「地震の前触れとして警戒すべき」


幻のサメ出没頻発、大地震との関連は “東日本”前にも出現

幻のサメが次々に出没する「喜劇」が、大地震という「悲劇」の前兆と聞けば、思わず青ザメるに違いない。世界では120匹、日本でも20匹ほどしか発見例のない「メガマウス」。それが、たった5日の間に2匹も出没したというワケで、思わぬ波紋が拡がっているのだ。

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太平洋に面する三重県尾鷲市の沖合で、体長5メートルもの巨大なサメ「メガマウス」が捕獲されたのは、5月26日のことだった。

この珍事から遡ること4日の22日、同じ太平洋沿いの千葉県館山市沖でも、この巨大生物が生け捕りにされていたのである。

「生態が十分解明されていないため、幾つかの水族館が生け捕りのまま引き取ろうと動きましたが、三重では輸送が困難と放流され、千葉でも捕獲の翌日に死んでしまいました」(社会部記者)

不吉なことは続くもの。漁師でも一生に一度、拝めるかどうかの希少魚だけに、事情を知る人々の間ではこんな声があがっているのだ。

「実は、尾鷲の漁港では昨年4月16日に発生した熊本地震の前日、東日本大震災の約2カ月前にもこのサメが捕獲されています。それだけに、巨大地震との因果関係を疑う人がいるのです」(同)

むろん、東京大学地震研究所災害科学系研究部門教授の古村孝志氏が言うには、

「私たちの研究所では、生物の地震予知は研究対象に入っていません。仮に地震の前にサメが深海から上がってくるとしても、他の生物の増減や大型船の動きなど、地震以外の理由で沖合に来ることは十分考えられる。謎だらけの生物に頼るより、地殻変動などを測定する機器の精度をもっと上げて、地震の前兆を調べる方が効果的だと思います」

因果関係を証明しようにも前例が少なすぎるというが、海底地震学が専門の武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏はこんな意見だ。

「確かに現在の地震学では、生物との関連性は立証されていませんが、サメやナマズは電気の感度が人間の10万倍以上もいいと言われています。サメの頭部にはロレンチーニ器官という小さな穴がたくさんあって、電気センサーの役割を果たしている。地殻変動で生じる電磁波などの信号を感じ、普段は現れない所に出没したと考えることもできます」

■地震の前触れ

ならば、千葉と三重の海域で異変が起きている可能性は否めないのだろうか。

「房総沖は、北米プレートとフィリピン海プレートの境界上で、5、6年前から首都圏を直撃する地震が起きると警告する専門家もいる。フィリピン海プレートは1000キロ単位でつながっており、もう1匹が見つかった三重との関連性も否定できません」

地震発生のメカニズムを研究してきた元前橋工科大学教授の濱島良吉氏も、

「東日本大震災以降、プレートの歪(ひず)みのバランスが崩れた分、隣接するエリアで地震が起きやすくなっています。房総沖は、日本海溝、伊豆・小笠原海溝、相模トラフの3つが重なる地球上でもここだけしかない非常に珍しい場所。地殻変動のエネルギーが溜り、地震が発生しやすいので、太平洋側から連続でメガマウスが出現したのを偶然とは思わず、大きな地震の前触れとして警戒すべきです」

しばらくは海の底でジッとしていて欲しいもの――。

「週刊新潮」2017年6月8日号 掲載
http://news.livedoor.com/article/detail/13186077/

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