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鳥越俊太郎氏が振り返る都知事選「本気で勝てるとは思ってなかった」


都知事選に敗れ普通の生活に戻った鳥越俊太郎「本気で勝てるとは思ってなかった」

鳥越俊太郎の出会ってしまった運命の3冊

東京都知事選での奮闘が記憶に新しい鳥越俊太郎さん(76)に、自身にとっての「運命の3冊」を聞いた。

■『スフィンクス』(堀田善衛 著/集英社)

時代は1962年、アルジェリアの独立を背景にした中東、ヨーロッパが舞台の国際スパイ小説。第二次世界大戦の影が随所に見られる。

「この『スフィンクス』は、僕が社会人になりたてのころに読んだものです」

1965年、京都大学文学部を卒業後、毎日新聞社に入社した鳥越さんが、最も影響されたのが、戦後活躍した小説家であり評論家としても知られる堀田善衛だった。『スフィンクス』は、中東とヨーロッパを舞台に、国際政治の暗部と謀略を描いた物語である。

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「この本に出会って本当に打ちのめされました。人生観、世界観が大きく変わりましたね。それまでの自分は、なんて浅はかだったのかと思い知らされました」

歴史に名を残した人物の言葉の重み

以来、新聞社の仕事をする傍ら、堀田善衛に没頭する。『海鳴りの底から』『広場の孤独』『時間・歯車』『ゴヤ』……。そしてあるとき、堀田の『方丈記私記』に巡りあう。

「鴨長明の『方丈記』は、高校時代に受験勉強で読んでいました。この堀田の『私記』は、戦中戦後、大震災や大空襲後の日本と、鴨長明が描いた鎌倉時代、災害や疫病、戦で荒廃した都を重ね合わせて描いたものでした。そのドキュメンタリーのすごさに触発され、鴨長明の『方丈記』を読み返してみようと思ったんです」

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